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自作天体望遠鏡で撮影した印象的な月の写真 [天体望遠鏡と天体写真]

いつもの自作天体望遠鏡とコンパクト ディジタル カメラのSONY DSC-RX100で撮影したお月様の写真です。
Moon_(2014_08_05)_Edited_(2014_08_17) 自作天体望遠鏡とコンパクト ディジタル カメラで撮影した月の写真。多数のクレーターが明瞭に写っている。半月よりもやや大きい。黄色く輝いている。
https://farm8.staticflickr.com/7567/16113574728_57fa753970_o.png
撮影日は2014年8月5日の夜。月齢9.5。視直径31.9'。輝面比0.65。

今年の1月10日に撮影した月の写真がとても良かったので、同じ位の写真を撮影しようと狙っていたのですが、調度良い月相の日には天候が悪く、良い写真が撮影できずにおりました。
良い月相の日を知る為に、非常に良く出来た天体シミュレーション ソフトウェアの " つるちゃんのプラネタリウム " をダウンロードして使わせて頂きました。この場を借りて御礼申し上げます。つるちゃん さん、本当にどうもありがとうございます。

"つるちゃんのプラネタリウム" のウェブサイトのURL:
http://homepage2.nifty.com/turupura/

今月の5日、良い月相であり、空も曇ってはいなかった為、撮影に挑戦致しました。
しかし、残念な事に非常に水蒸気が多い空でした。
月の他には星は数個しか見えません。
撮影した画像は、とても揺らめいており、不鮮明でした。
細かなクレーターや起伏はぼやけて確認できません。
そこで、画像合成ソフトウェアのAviStack2で多数の写真を合成処理して品質向上を狙う事に致しました。
処理した画像は、撮影した千数百枚の中から選んだ162枚です。
まず、"藤 -Resizer-" という画像拡大縮小ソフトウェアで4-lobed Lanczos-windowed sinc補間法で画像を拡大。
ソフトウェア提供のC-yan さんに心より感謝申し上げます。

"藤 -Resizer-" のウェブサイトのURL:
http://hp.vector.co.jp/authors/VA015850/software/wisteria.html


次に、HDRAlignmentToolというフリー ソフトウェアを使い、画像の大きさと角度を揃えました。
HDRAlignmentToolに関しては、次の2つのウェブ ページを参考にさせて頂きました。

フォレスト さんのブログ "はやしのなか" の記事
"ズレた写真の位置合わせ用ソフトHDR Alignment Toolの紹介" のURL:
http://blog.livedoor.jp/fore_fore/archives/6543751.html

fus​ion さんのブログ "迷途覚路夢中行" の記事
"HDR Alignment Tool" のURL:
http://blogs.yahoo.co.jp/igproj_fusion/17832688.html



大きさと角度を揃えた月面画像162枚を、背景を黒く潰す為のレベル調整をしてからクロップして6670 x 9149[pixels]にした後、AviStack2で以下の設定で処理致しました。

[Frame alignment]
Area radius: 128
Search radius: 32
Alignment type: Surface
[Set reference points]
Minimum distance: 50
Structure threshold: 200
Lower cut-off value: 0.00
Upper cut-off value: 1.00
[Quality analysis]
Noise reduction: 2
Quality area size: 128
Align quality areas
Quality cut-off: 100.0%
[Reference point alignment]
Area radius: 64
Search radius: Automatic
Quality cut-off (%): 76.5

処理を始めたのは8月10日13時頃。
そして処理が完了したのは同月17日の11時頃。
自動の画像処理に160時間以上を要しました。この間、PCはほぼ操作不能となります。
そして合成された画像をPhotoshop Elements 6でトーンカーブ調整やレベル調整、コントラスト調整をしたり、シャープを調整という機能で量と半径を変えて何回も処理し、それらを合成したり、ノイズを低減という機能で色ノイズを低減させたりして見栄えのする月の写真を作成致しました。
出来上がった画像は1月10日の写真程の品質ではありませんでしたが、色を強調して益々印象的な写真に出来ました。

Moon_Before After_(2014_08_17)_1 月の写真の一部。左半分が画像処理の前。右半分が画像処理の後。
https://farm8.staticflickr.com/7527/16114984369_9b72ecf1e1_o.png
これが画像処理をする前と後の比較画像です。
画像の左側は撮影したままの状態。右側は完成した画像を左と揃えた状態です。
処理する前には見えなかった起伏やクレーターが見えるようになりました。


この合成処理に使った無料ソフトウェアの " AviStack2 " につきましては次のURLの公式ウェブサイトをご覧下さい。
"AviStack2" の公式ウェブサイトのURL:
http://www.avistack.de/

[後日追記]
->->
AviStack2は古いソフトウェアであり、実行に必要なIDL仮想マシンを開発していたExelis VIS社は2015年5月29日に、軍事ソリューション及び盗聴機器開発も手掛ける企業により買収されております。私が使用しているのは買収前にダウンロードしたものです。
<-<-

ウェブ検索してみると高解像度の月の写真はモザイクで繋ぎ合わせて作成されているものがほとんどのようです。私も以前、幾つかのソフトウェアでモザイクの スティッチを試しましたが、繋ぎ目が完全に正確にはならず、月全体が綺麗に丸くならず、また陰影が際立たず立体感のある画像には出来ませんでした。
ですので、私はモザイクではなく一枚に月全体を収めた写真を多数撮影して重ね合わせ合成する方法を用いる事にしたのです。



前述の1月10日の月の写真につきましては次のページを御覧下さい。

記事: 月の写真を印象的にしてみました
http://crater.blog.so-net.ne.jp/2014-02-03



尚、使用した自作天体望遠鏡に関しましては次の記事を御覧下さい。

記事: 自作天体望遠鏡が遂に完成しました
http://crater.blog.so-net.ne.jp/2013-08-14


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