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刑事ドラマの画像処理技術について [テクノロジー]

昔、 "超解像" "Super-Resolution" が話題になっていた頃、TVの高画質化に役立つという点で注目されていたように思います。
現在ではTV放送はFull HDの次、UHD (4K)へ向かっております。
TVでは実時間で画像処理する必要がある為、主に1枚フレーム内超解像技術が搭載されております。
ですが、番組コンテンツの撮影と編集が4K以上の解像度で行われれば、超解像処理の必要性は低下致します。
このまま超解像技術、特に "複数枚超解像技術" はマイナーなものになってしまうのかなと思っていたのですが、犯罪捜査には活用されているようです。

主に防犯カメラの映像の鮮明化に利用されているそうです。


アレです。テレビ放送の刑事ドラマなどで頻繁に出てくるあのシーンです。


「現場近くの防犯カメラに怪しい人物が映っていました!」

(防犯カメラ映像を見ながら)
「ダメですね。これじゃ犯人の顔かどうか分からない。」

「私が画像処理で鮮明化してみます。」

(鮮明化した拡大画像を見ながら)
「...こいつだ!犯人の顔に間違いない!」


アレはドラマでは効果が誇張されてはおりますが、それに近い事が可能なのですね。

例えば、株式会社デジタルデザイン の 捜査支援用画像処理システム イメージレポーター という製品は様々な映像の多数枚のフレームを用いて、1画素よりも細かい、サブピクセル レベルでのブロック マッチングで元々の解像度以上の情報を引き出します。ノイズも低減し、輝度やコントラストなども補正してそのままでは判別できなかったナンバー プレートの文字も判読可能にします。この製品は東京工業大学の研究成果の特許技術を用いているそうです。

東京工業大学 / 奥富・田中研究室 のURL:
http://www.ok.ctrl.titech.ac.jp/index-j.shtml

奥富・田中研究室 / 超解像技術研究に関するページ のURL:
http://www.ok.ctrl.titech.ac.jp/res/CSR/CSR-ja.html

株式会社デジタルデザイン / "捜査支援用画像処理システム イメージレポーター" の製品情報ページのURL:
http://www.d-d.co.jp/imagereporter/index.html


ここで私が思うのは、「月の写真にも複数枚超解像を使いたい」という事です。
AviStack2などの無料のスタッキング ソフトウェアは複数枚の写真の位置合わせと変形と合成を行いますが、ノイズは無くなっても解像度は上がりません。
サブピクセル レベルでのブロック マッチングまでしてくれたら嬉しいのですが、さすがにそこまでは望めませんね。

それともう一つ。このような優れた技術は犯罪捜査などに於いてとても強力ですが、逆に市民のプライヴァシーを侵したり、更には企業スパイなど犯罪に使われてしまう事も懸念されます。技術の使われ方も注意深く見て行く必要があると思います。

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