UbuntuでAviStack2により月画像処理をする。 [PC]
私は自作天体望遠鏡とSONYのコンパクト ディジタル カメラであるDSC-RX100を使って撮影した多数枚の月の写真を画像処理と合成処理することで画質を向上させておりました。
その際にはWindows7環境で " Photoshop Elements 6 " でレベル補正し、 " 藤 -Resizer- " で " 4-lobed Lanczos-windowed sinc補間法 " で画像を拡大し、 " HDRAlignmentTool " を用いて画像の拡大縮小と回転によって大きさと角度を揃え、それらの画像を " AviStack2 "で幾何学変形して高精度な合成処理を行い、最後に再びPhotoshop Elements 6で画質調整して完成という流れで作業致しておりました。
https://farm8.staticflickr.com/7567/16113574728_57fa753970_o.png
以前の記事: 自作天体望遠鏡で撮影した印象的な月の写真
http://crater.blog.so-net.ne.jp/2014-08-17
https://farm8.staticflickr.com/7518/16274740676_13c2d0ee6c_o.png
以前の記事: 月の写真を印象的にしてみました
http://crater.blog.so-net.ne.jp/2014-02-03
現在のUbuntu 14.04環境でも上記のAviStack2を使用することに致しましたので、その方法を書き留めたいと思います。
まず、AviStack2の公式ウェブサイトへ行き、Linux向けのプログラムと説明書をダウンロードします。
"AviStack2" の公式ウェブサイトのURL:
http://www.avistack.de/
上記サイトのDownloadsと書いてあるメニューをクリックし、ダウンロード ページにある次のリンクをクリックしてプログラムのファイルをダウンロードします。
AviStack Version 2.00 Download (Unix, Mac, *see comments at bottom of page!)
そして同ページの次のリンクから説明書のファイルをダウンロードします。
English AviStack2 manual (v2.00)
ページの下の方にはLinux版とMac版に関する注意書きがあります。
///////////////////////////
*Installation of IDL VM necessary - see manual. Unfortunately, the Mac and Linux versions seem to exhibit some unexpected behaviour regarding image display.
///////////////////////////
// IDL仮想マシンのインストールが必要です。マニュアルをご覧下さい。
// 残念な事に、Mac版とLinux版は画像表示に於いて予期しない振る舞いをするようです。
との事。
取り敢えず、先の "AviStack2_MacLin.zip" を任意のディレクトリーに解凍しておきます。
[後日追記]
->->
AviStack2は古いソフトウェアであり、実行に必要なIDL仮想マシンを開発していたExelis VIS社は2015年5月29日に、軍事ソリューション及び盗聴機器開発も手掛ける企業により買収されております。私が使用しているのは買収前にダウンロードしたものです。
<-<-
次にIDL VMのインストールですが、IDLというのはExelis VISというアメリカの企業が提供しているデータ分析用プログラミング言語、開発環境の事だそうです。
AviStack2で必要なのは無料で提供されているIDL仮想マシンです。
そこで早速、Exelis VISのウェブサイトからダウンロードさせて頂きたいところですが、どうやらExelis VISへの登録が必要なようです。
個人情報を登録してアカウントを作成致しました。
送信されて来たe-メールにで認証を受けます。
アカウントが有効になってから、ダウンロードページへ行き、次のリンクをクリックして、リンク先のページから同名のファイルをダウンロードします。但しヴァージョン番号は今後変わる事と思います。
IDL 8.3 Linux x86_64 64-bit
もう1つ、次のリンクをクリックしてインストールの仕方を読みましょう。
IDL 8.3 - Installation Instructions
私が実際に行った手順は以下の通りです。
端末を起動してからスーパーユーザー権限にする。
mkdir コマンドの入力で次のフォルダーを作成致しました。
/usr/local/exelis
ダウンロードした "idl83envi51linux.x86_64.tar.gz" のファイルを作成しておいたexelis フォルダーの中にcp コマンドの入力で複製致しました。
gunzip コマンドとtarコマンドの入力でアーカイヴを同ディレクトリーに展開致しました。
install.shを実行させてインストール致しました。
途中でリモートセンシング用統合処理パッケージの "ENVI" をインストールするかを尋ねて来るので、断ります。
勿論、IDLの方はインストールする方を選択致しました。
これで一緒に " IDL VM " もインストールされました。
次はAviStack2の起動の仕方です。
端末から次のコマンドを入力します。
idl -vm
これでIDL VMが起動します。
"Click to Continue" をクリックすると、起動したいIDL save ファイルを尋ねて来ますので、先程解凍しておいた "avistack2.sav" ファイルを選択して "OK" をクリックすると、AviStack2のプログラムが起動します。
https://farm9.staticflickr.com/8587/16213871808_d49c79a824_o.png
これがAviStack2が起動した直後の画面です。
処理するファイルを選択して、画像のフレームの取捨選択をした後、アライメント ポイントを2箇所指定します。
https://farm9.staticflickr.com/8605/16214112640_44eb497235_o.png
この画像ではアライメント ポイントを指定するマーカーをクレーターの中央に指定してあります。
自動処理により、四角い白線の枠内についてフレーム間で一致度合いを調査する事になります。
こうして順々に処理を進めて行くのですが、ROI (Region Of Interest)の設定の所で "OK" ボタンをクリックして処理を進めようとすると、以下のエラーメッセージが表示されてプログラムが終了してしまいます。
" WDELETE: Window number 0 out of range or no more windows "
ですのでこれを回避する為に、 "OK" ボタンをクリックする前に以下の事を行います。
まず念の為、データとパラメーターを保存しておきます。
次に "Parameters and Settings" のウィンドウで "Set reference points" の項目を展開したツリー メニュー中の設定項目をクリックし、 "Enter" キーを押して先に各種値を設定してしまいます。
そして "Set reference points" の "Manual processing" をクリックして "Automatic processing" にしておきます。
https://farm8.staticflickr.com/7347/16399761911_c33cb8bb79_o.png
ここまで出来たら "ROI selection" ウィンドウの "OK" ボタンをクリックすればエラーが発生する事無く処理が続行できます。
https://farm8.staticflickr.com/7431/16375529026_85fd4c052e_o.png
こうして説明書に従い処理して行くと圧倒的に画質が向上した画像が出来上がります。
ちなみに私が以前、CPUにIntel Core i7-3770T、メインメモリーに8[GB] DDR3 SDRAMを搭載したPCでWindows7環境上で実行した際には、6670 x 9149[pixels]の画像を162枚処理するのに160時間以上を要しました。
その際にはWindows7環境で " Photoshop Elements 6 " でレベル補正し、 " 藤 -Resizer- " で " 4-lobed Lanczos-windowed sinc補間法 " で画像を拡大し、 " HDRAlignmentTool " を用いて画像の拡大縮小と回転によって大きさと角度を揃え、それらの画像を " AviStack2 "で幾何学変形して高精度な合成処理を行い、最後に再びPhotoshop Elements 6で画質調整して完成という流れで作業致しておりました。
https://farm8.staticflickr.com/7567/16113574728_57fa753970_o.png
以前の記事: 自作天体望遠鏡で撮影した印象的な月の写真
http://crater.blog.so-net.ne.jp/2014-08-17
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以前の記事: 月の写真を印象的にしてみました
http://crater.blog.so-net.ne.jp/2014-02-03
現在のUbuntu 14.04環境でも上記のAviStack2を使用することに致しましたので、その方法を書き留めたいと思います。
まず、AviStack2の公式ウェブサイトへ行き、Linux向けのプログラムと説明書をダウンロードします。
"AviStack2" の公式ウェブサイトのURL:
http://www.avistack.de/
上記サイトのDownloadsと書いてあるメニューをクリックし、ダウンロード ページにある次のリンクをクリックしてプログラムのファイルをダウンロードします。
AviStack Version 2.00 Download (Unix, Mac, *see comments at bottom of page!)
そして同ページの次のリンクから説明書のファイルをダウンロードします。
English AviStack2 manual (v2.00)
ページの下の方にはLinux版とMac版に関する注意書きがあります。
///////////////////////////
*Installation of IDL VM necessary - see manual. Unfortunately, the Mac and Linux versions seem to exhibit some unexpected behaviour regarding image display.
///////////////////////////
// IDL仮想マシンのインストールが必要です。マニュアルをご覧下さい。
// 残念な事に、Mac版とLinux版は画像表示に於いて予期しない振る舞いをするようです。
との事。
取り敢えず、先の "AviStack2_MacLin.zip" を任意のディレクトリーに解凍しておきます。
[後日追記]
->->
AviStack2は古いソフトウェアであり、実行に必要なIDL仮想マシンを開発していたExelis VIS社は2015年5月29日に、軍事ソリューション及び盗聴機器開発も手掛ける企業により買収されております。私が使用しているのは買収前にダウンロードしたものです。
<-<-
次にIDL VMのインストールですが、IDLというのはExelis VISというアメリカの企業が提供しているデータ分析用プログラミング言語、開発環境の事だそうです。
AviStack2で必要なのは無料で提供されているIDL仮想マシンです。
そこで早速、Exelis VISのウェブサイトからダウンロードさせて頂きたいところですが、どうやらExelis VISへの登録が必要なようです。
個人情報を登録してアカウントを作成致しました。
送信されて来たe-メールにで認証を受けます。
アカウントが有効になってから、ダウンロードページへ行き、次のリンクをクリックして、リンク先のページから同名のファイルをダウンロードします。但しヴァージョン番号は今後変わる事と思います。
IDL 8.3 Linux x86_64 64-bit
もう1つ、次のリンクをクリックしてインストールの仕方を読みましょう。
IDL 8.3 - Installation Instructions
私が実際に行った手順は以下の通りです。
端末を起動してからスーパーユーザー権限にする。
mkdir コマンドの入力で次のフォルダーを作成致しました。
/usr/local/exelis
ダウンロードした "idl83envi51linux.x86_64.tar.gz" のファイルを作成しておいたexelis フォルダーの中にcp コマンドの入力で複製致しました。
gunzip コマンドとtarコマンドの入力でアーカイヴを同ディレクトリーに展開致しました。
install.shを実行させてインストール致しました。
途中でリモートセンシング用統合処理パッケージの "ENVI" をインストールするかを尋ねて来るので、断ります。
勿論、IDLの方はインストールする方を選択致しました。
これで一緒に " IDL VM " もインストールされました。
次はAviStack2の起動の仕方です。
端末から次のコマンドを入力します。
idl -vm
これでIDL VMが起動します。
"Click to Continue" をクリックすると、起動したいIDL save ファイルを尋ねて来ますので、先程解凍しておいた "avistack2.sav" ファイルを選択して "OK" をクリックすると、AviStack2のプログラムが起動します。
https://farm9.staticflickr.com/8587/16213871808_d49c79a824_o.png
これがAviStack2が起動した直後の画面です。
処理するファイルを選択して、画像のフレームの取捨選択をした後、アライメント ポイントを2箇所指定します。
https://farm9.staticflickr.com/8605/16214112640_44eb497235_o.png
この画像ではアライメント ポイントを指定するマーカーをクレーターの中央に指定してあります。
自動処理により、四角い白線の枠内についてフレーム間で一致度合いを調査する事になります。
こうして順々に処理を進めて行くのですが、ROI (Region Of Interest)の設定の所で "OK" ボタンをクリックして処理を進めようとすると、以下のエラーメッセージが表示されてプログラムが終了してしまいます。
" WDELETE: Window number 0 out of range or no more windows "
ですのでこれを回避する為に、 "OK" ボタンをクリックする前に以下の事を行います。
まず念の為、データとパラメーターを保存しておきます。
次に "Parameters and Settings" のウィンドウで "Set reference points" の項目を展開したツリー メニュー中の設定項目をクリックし、 "Enter" キーを押して先に各種値を設定してしまいます。
そして "Set reference points" の "Manual processing" をクリックして "Automatic processing" にしておきます。
https://farm8.staticflickr.com/7347/16399761911_c33cb8bb79_o.png
ここまで出来たら "ROI selection" ウィンドウの "OK" ボタンをクリックすればエラーが発生する事無く処理が続行できます。
https://farm8.staticflickr.com/7431/16375529026_85fd4c052e_o.png
こうして説明書に従い処理して行くと圧倒的に画質が向上した画像が出来上がります。
ちなみに私が以前、CPUにIntel Core i7-3770T、メインメモリーに8[GB] DDR3 SDRAMを搭載したPCでWindows7環境上で実行した際には、6670 x 9149[pixels]の画像を162枚処理するのに160時間以上を要しました。
2014-09-22 21:55
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